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逆止弁とは?逆止弁の特徴・用途と、小型医療用逆止弁について

逆止弁とは?逆止弁の特徴・用途と、小型医療用逆止弁について

お役立ちコラム

逆止弁とは?逆止弁の特徴・用途と、小型医療用逆止弁について

逆止弁(英:check valve)は、空気や水の逆流を防ぐバルブ部品です。水道管などの身近なインフラから産業機械まで、幅広い分野で使われており、私たちのくらしに欠かせない重要な要素部品として、逆流によるさまざまなトラブルを未然に防いでいます
また近年では、高齢化社会が進むなか、ヘルスケア産業の市場拡大によって「医療用逆止弁」のニーズも急増しています。

この記事では逆止弁の特徴と、医療業界で使われる小型の「医療用逆止弁」について解説します。

そもそも逆止弁ってなに?

そもそも逆止弁ってなに?

逆止弁とは、その名の通り「逆流を止める」ためのバルブ部品です。水や空気などの流体を常に一方向にだけ通し、逆の流れが発生した際には弁が閉まり、逆流を防ぐ役割があります。
逆止弁は、水・油などの液体から、ガス・蒸気などの気体まで、あらゆる流体の逆流防止に使われており、その機能から、異なる流体の混合防止や流れる方向の制御などにも利用されています。

逆止弁の呼び方はさまざま
逆止弁の呼び方はさまざま!
逆止弁は、JIS(JIS B 0100)では「逆止め弁(ぎゃくとめべん)」と表記されます。
JISの定義する逆止め弁は、流体の背圧によって逆流を防止するバルブの総称ですが、業界によっては「逆流防止弁」「チェックバルブ」「チャッキバルブ」「チャッキ弁」など、さまざまな名称で呼ばれています。

逆止弁の用途例

逆止弁の一般的な用途例についてご紹介します。

自動車部品

自動車部品

自動車部品では、ガソリンタンクの燃料逆流やタンク内の圧力調整、油圧・空圧ポンプの制御、ラジエーターやオイルの逆流防止に逆止弁が使われています。
自動車の横転時には、燃料の漏れを最小限に抑え、事故の被害拡大を防ぐのにも役立っています。

給水・排水設備

給水・排水設備

水道管や下水管など、処理水の逆流や悪臭を防ぐために逆止弁が使われています。
配管パイプの立ち上がり部の逆流防止にも使われており、キッチンやトイレ、浴室、洗濯機などの身近な水周りにも、多くの逆止弁が使われています。

空調設備

空調設備

冷暖房や空気洗浄機、換気システムなど、空気の流れを制御するために逆止弁が使われています。
大規模な空調システムでは、空気の逆流防止だけでなく、冷却液の逆流や漏れを防ぐために、多くの逆止弁が使われています。

製造ライン

製造ライン

製造ラインでは、半導体製造の流体制御から、食品工場のポンプ・ノズルの逆流防止まで、さまざまな用途で逆止弁が使われています。
流体の逆流は、設備故障だけでなく生産性の低下や不良品の原因になるため、確実な逆流防止が求められます。

医療用途

医療用途

医療用途では、人工透析器や酸素濃縮器のエアの逆流、点滴時の血液の逆流や薬剤の混合を防ぐため、多くの医療用逆止弁が使われています。
とても小さな部品ですが、患者の健康に関わる非常に重要な役割を担っています。

逆止弁のカスタマイズはお任せください
小型逆止弁のカスタマイズなら
藤倉コンポジットでは、医療用をはじめとした小型逆止弁のカスタマイズを強みとしています。
自動車や半導体製造への納入実績も豊富で、医療向けで培った高品質な逆止弁を、さまざまな分野に展開することができます。
逆止弁のカスタマイズでお困りでしたら、ぜひ藤倉コンポジットまでご相談ください。

ニーズが急増している「医療用逆止弁」とは

ニーズが急増している「医療用逆止弁」とは

さまざまな用途で使われている逆止弁ですが、最近では高齢化社会が進むなか、ヘルスケア産業の市場拡大によって「医療用逆止弁」のニーズが急増しています。
医療用逆止弁には、生体適合性のある医療用グレードの材質が使われるなど、一般用の逆止弁とは異なるスペックが求められますが、そこで課題となっているのが「入手性」「コスト」「カスタマイズ」の3つの問題です。

医療用逆止弁の課題

血液や薬液に直接触れる医療用逆止弁は、衛生上、ディスポーザブル(使い捨て)による大量消費が一般的です。しかし市場では、海外製の逆止弁が大半を占めており、入手性とコストが大きな課題となっているのです。
また医療機器に使われる逆止弁には、装置に合わせた専用設計が求められます。カスタマイズに対応できる柔軟性の高いメーカーも限られているため、多くのエンジニアがお困りでした。

逆止弁の国内需要が高まるなか、「入手性」「コスト」「カスタマイズ」の課題を解決しているのが、藤倉コンポジットの医療用逆止弁です
逆止弁の国内需要が高まるなか、「入手性」「コスト」「カスタマイズ」の課題を解決しているのが、藤倉コンポジットの医療用逆止弁です。

藤倉コンポジットの小型医療用逆止弁について

藤倉コンポジットの小型医療用逆止弁について

藤倉コンポジットでは、工業用ゴムの製造ノウハウを活かした精密な小型逆止弁を製造しています。
高いスペックながらも低コストで、医療の現場に合わせた材質や形状のカスタマイズも可能です。高品質が求められる医療用途で、高い実績があります。

〈医療用逆止弁の構造〉
医療用逆止弁の構造

① 流体が入口(一次側)から流れる
② 流体の流れる圧力によって弁が開かれる
③ 出口(二次側)の背圧が高くなると、圧力差で弁が閉まり逆流を防ぐ

医療用逆止弁の種類

藤倉コンポジットで製造している、医療用逆止弁についてご紹介します。

医療用逆止弁〈接液用〉

医療用逆止弁〈接液用〉

血液に接する輸血回路や、人工透析器のチューブに直接接続できるクリーンな逆止弁です。
生体適合性のある医療用グレードの樹脂(ポリカーボネイト)とゴム(シリコーンゴム)を使用しており、医療の現場でも安心してお使いいただけます。

精密小型逆止弁 VC-P〈エア用〉

精密小型逆止弁 VC-P〈エア用〉

酸素濃縮器内タンクや内視鏡装置エア管路など、エアの逆流防止に実績のある逆止弁です。
φ18mm・約3gと小型軽量で、狭い装置内でも省スペースで組み込むことができます。またクラッキング圧が1kPa以下と極めて低く、小流量域の精密な医療機器に最適です。

逆止弁の国内需要が高まるなか、「入手性」「コスト」「カスタマイズ」の課題を解決しているのが、藤倉コンポジットの医療用逆止弁です

※クラッキング圧とは?
クラッキング圧とは、弁が開いて一定の流量が発生する時の最小圧力です。クラッキング圧が低ほど、微少な圧力で作動するため、高い応答性を発揮することができます。

アンブレラ・ダックビルについて
アンブレラ・ダックビルについて
藤倉コンポジットでは、逆止弁の内部機構に使われている、「アンブレラ」「ダックビル」と呼ばれる部品単体の製造販売も可能です。
アンブレラ・ダックビルは、ゴムの変形とシール特性を利用した小型の逆止弁で、さまざまなゴム材料にも対応しており、装置開発の多様なニーズにお応えいたします。

医療用逆止弁開発のポイントは?

藤倉コンポジットの小型医療用逆止弁について

医療用逆止弁の開発では、「スペックや用途に合わせてカスタマイズできるか」がポイントになります。藤倉コンポジットが強みとする、カスタマイズ対応についてご紹介します。

〈藤倉コンポジットの強み〉

材質カスタマイズへの対応

材質カスタマイズへの対応

医療用逆止弁では、接液する液体や使用環境に合わせて、さまざまな材質カスタマイズが求められます。藤倉コンポジットなら、お客さまの用途に合わせて、ゴム材料の選定から配合設計、表面処理まで行うことができます。
また医療規格(ISO 10993)や、USP(米国薬局方)の厳しい適合性試験をクリアした「医療用シリコーンゴム」にも、高い実績があります。超高性能フッ素系ゴムを使った「耐薬品用逆止弁」もご相談ください。

関連記事
医療用シリコーンゴムとは?

形状カスタマイズへの対応

小型化が進む医療機器への搭載には、さまざまな形状カスタマイズが求められます。藤倉コンポジットなら、お客さまの装置に合わせて、専用のカスタマイズ設計が可能です。
コンポジット技術とFEM解析を駆使した、コネクタ開発やゴム+樹脂のアッセンブリ品、ユニット品の開発もお任せください。

FEM解析について
FEM解析について
FEM解析の例)ダックビルにかかる圧力と変位量を評価
FEM(Finite Element Method)は、有限要素法と呼ばれる設計開発の解析手法です。
逆止弁の設計では、お客さまの仕様を満たすために、流体圧の確認やケース変形、内部破壊リスクなどをFEM解析で評価し開発に活かしています。

国内生産への対応

国内生産への対応

ディスポーザブル(使い捨て)の医療用逆止弁は、入手しやすさとコストも重要なポイントです。藤倉コンポジットでは、すべての部材を国内生産しているため安定供給が可能です。コストにこだわった部品構成で、低コストを実現しており、大量で使われるディスポーザブル用途にも安心して採用いただけます。
また自社クリーンルーム(Class100,000)を完備しており、クリーンルーム内でのゴム製造(LIM成形)から組み立てまで、一貫した生産体制を構築。医療機器の品質マネジメントシステムの国際規格[ISO13485]を取得するなど、品質管理も徹底しています。

医療用逆止弁のカスタマイズはお任せください

この記事では逆止弁の特徴と、医療業界で使われる小型の「医療用逆止弁」について解説しました。
医療用逆止弁の需要が高まるなか、市場では高品質で入手しやすい逆止弁が求められています。藤倉コンポジットでは、工業用ゴムメーカーとしての技術力を活かし、ゴム材料の選定から設計まで、用途に合わせた逆止弁のカスタマイズを強みとしています。
高品質な逆止弁は、医療用途だけでなく、一般産業や半導体製造などさまざまな産業への展開も可能です。
自社装置への逆止弁の組み込みや、医療現場での逆止弁の採用にお困りでしたら、ぜひ一度、藤倉コンポジットまでご相談ください。

逆止弁の関連製品

医療用逆止弁

藤倉コンポジットの逆止弁は、輸血回路や人工透析器のチューブに直接接続できるクリーンな逆止弁です。高いスペックながらも低コストで、医療現場に合わせた材質や形状のカスタマイズが可能です。

逆止弁のカスタマイズでお困りの方へ