フジクラコンポジット FUJIKURA COMPOSITES

経営方針 Management Policy

トップメッセージ

藤倉コンポジット株式会社 代表取締役社長 森田健司

株主・投資家の皆さまへ

日頃は格別のご支援を賜りお礼申し上げます。
 ここに当社グループ(当社及び連結子会社)の第144期(2022年4月1日〜2023年3月31日)の事業の概況と今後の取り組みについてご報告申し上げます。

現在の事業環境と今後の取り組みについて

 第144期は、事業環境が大幅に変化しました。様々なコストアップ要因が顕在化し、これらを販売価格に転嫁するには、やや時間を要すると思われます。コロナ禍で市場が拡大したゴルフ用品市場も、成長スピードに一服感がみられるようになりました。このような厳しい事業環境に対応するため、第145期は、これまで検討してきた事業構造改革と長期的な成長への新たな基盤整備を進めていきます。
 まず、昨今のデジタル化の進展によって低迷していた、引布加工品セグメントの印刷材料部門の撤退を進めます。生産拠点が国内のみであることから、コスト競争力で劣り、昨今の円安の影響による為替リスクも顕在化しておりました。
 また、原町工場の近隣に位置する、福島第一原発事故の影響で操業停止していた小高工場に、原町工場のゴルフシャフト製造ラインを再度移転し、産業向けCFRP製造ラインも増設いたします。また、制御機器関連の新製品開発拠点として製造ラインも設置いたします。これに伴い、原町工場の再レイアウトの検討も行い、医療機器関連の拡大にも対応してまいります。

サステナビリティの取り組みについて

 当社のサステナビリティの取り組みについては、プライム市場上場企業に相応しい内容にブラッシュアップする方向で、様々な準備を進めてまいりました。
 この取り組みの第一弾として、2023年4月に、管理本部の中にサステナビリティ統括室を新設しました。サステナビリティ統括室がサステナビリティ情報を一元管理し、その結果を取締役会がモニタリングすることで、これまで以上に企業価値の向上を図ることに注力し、ステークホルダーの理解を深める情報発信を進めてまいります。
 また、電動車のバッテリー発火時の延焼を防止する熱膨張ゴムや、風力発電ブレード保護シート、NEP(次世代自動車)推進室での研究開発など、環境に配慮した部材や製品の開発に注力することも、広義でのサステナビリティにつながると確信しています。
 ガバナンスの強化については、6月29日の株主総会でご承認いただき、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。この移行に伴って取締役会の充実を図るとともに、業務執行を担う事業部門を監督する方向へ、取締役会の役割自体の見直しを進めていきます。サステナビリティと同様に、業務執行についても取締役会がモニタリングしながら、未来を見据えた戦略を中心に審議・決定する、監督機能と執行機能を分離したガバナンス体制を目指してまいります。

最後に

 2023年3月期の配当については、1株当たり40円(中間20円、期末20円)とさせていただきました。当社は、株主配当の基本方針として総還元性向30%を目標としております。この目標を超える株主還元を実現するために、中期経営計画の達成とともに、長期的な成長企業への基盤作りにグループ一丸となって邁進してまいります。

藤倉コンポジット株式会社
代表取締役社長
藤倉コンポジット株式会社 代表取締役社長 森田健司