トップメッセージ

不確実性の高い社会状況の中、絶え間ないトランスフォームで新時代を切り拓くカンパニーへ。

代表取締役社長 森田健司

 日頃より格別のお引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。
 当社は2026年3月期からの3か年で、第7次中期経営計画「AccelerateX」を進めています。①稼ぐ力の強化 ②新成長戦略 ③株主還元方針 ④投資家とのコミュニケーション向上を基本方針に、人材育成、DX推進などを有機的に展開。さらなる企業価値向上を目指しています。初年度を終了し、各種施策の成果と今後の見通しについてお知らせいたします。

代表取締役社長執行役員 森田健司

新中期経営計画の1年目が終了しました。地政学的リスクが高まる中、売上高、営業利益、営業利益率についてお聞かせください。

 新中期経営計画の1年目を振り返ると、プラス面とマイナス面が混在する結果となりましたが、全体として一定の成果を収めることができました。

 プラス面については、産業用資材セグメントの回復です。工業用品部門において受注が徐々に増加したことと、これまで2、3年をかけて継続してきた価格転嫁の取組みが利益面でプラスの効果がでています。

 制御機器部門については、リチウムイオン電池市場向けは回復が見られましたが、液晶・半導体市場の影響を受け、受注は低調に推移しました。しかし、2026年後半には、徐々に市況が回復する予想です。

 スポーツ用品セグメントでは、ゴルフ用カーボンシャフト部門において、国内および米国では物価高騰の影響、アジア地域では景気の低迷などが影響し、減収減益となりました。しかしながら、『VENTUS』シリーズの最新モデル『26 VENTUS TR BLUE』等をグローバル市場に投入し好評を博しており、高い営業利益率を維持し、全体の売上高、利益を牽引いたしました。

 引布加工品セグメントにおいては、電気・電子向け部材等の受注が好調に推移いたしました。さらに、小型船舶用の新型救命浮器の出荷が増加したことも寄与し、前期と比較し、営業利益は回復いたしました。

 不確実性の高い社会状況の中でプラスとマイナスがありながら、全体として一定のレベル内での成果を上げたと考えています。

新中期経営計画の基本戦略として掲げる「稼ぐ力の強化」及び「新成長戦略」の進捗についてはいかがでしょうか。

代表取締役社長 森田健司

 社長直轄の先進技術戦略室で、技術開発体制の強化を図っています。中でも外部リソースの有効活用によるイノベーションは重要です。2025年12月には、テクサー株式会社との共同開発で、「電源レス漏水センサー × 太陽光発電+1NCE通信対応L5G Gateway評価キット」を発表するなど、新製品開発をよりスピーディーに展開しています。また2026年4月に先進技術戦略室に新事業開拓部を新設しました。新規開拓を手がける営業部から人員を配置し、営業と技術が一体となって、市場開拓を進めようという発想です。

 また、今後は日本国内や中国など、高齢化の進展に伴い市場拡大が見込まれる医療分野に注目しています。原町工場のクリーンルームでは、これまで輸入に頼っていたワクチンの国産化を進める一環として、シングルユース関連製品の開発製造を進めています。現在、シリコンチューブとガスケットの販売がスタートし、今年度中には無菌コネクターの発売も予定しています。将来的にはワクチン、バイオ、再生医療などの発展が見込まれ、ここに当社が寄与できるチャンスがあります。

 10年先の社会を想定しながら、求められる製品の開発を積極的に進めることを、新成長戦略として常に念頭に置いています。

非財務情報およびガバナンス向上に向けた取組みについて、お聞かせください。

 将来の経営者や管理職を育成することは重要です。次世代リーダー候補者には仕事を通じて、様々な経験を積んでほしいという思いから、若手を含めて積極的にローテーションを進めています。女性管理職の育成も課題として捉え、女性が働きやすい環境整備を進めるべく努力しています。現在、ベトナムのゴルフ用カーボンシャフトを製造する工場には女性管理職が出向し、工場長として活躍しています。

 2024年より従業員インセンティブ・プラン「株式付与ESOP信託」を実施し、追加拠出も行っています。これらを通して社員の中に経営参画意識が高まることを期待しています。

 ガバナンス向上のための取組みについては、取締役会の他に毎月、「経営戦略ミーティング」を実施しています。経営企画室がテーマを決め、全役員が参加し、十分に時間を取り、集中的に話し合い、議論を重ねることで、社外取締役の方々にも評価いただき、取締役会でのスムーズな決議に繋がっています。

 2026年4月から情報統合室を設けました。情報セキュリティの重要性はもちろんのこと、社内のさらなるDX推進を掲げて活動しています。会社の情報を一元管理し、必要なときに活用できるデータ環境を提供することや、日進月歩のIT技術をしっかりと取り入れ、会社の成長をともに支えていく仕組みの構築を目指しています。

株主の皆さまへのメッセージをお願いいたします。

 株主・投資家の皆様への対話は年2回の決算説明会の他、個別面談を昨年度は70回以上実施しています。また、株主資本配当率(DOE)を4.0%以上とし、安定的な配当水準を維持します。

 今後は資本コストを十分に意識した投資を実施するとともに、固定費圧縮も含めて積極的に取組む所存です。過去の事業にこだわらず、新たな事業にも注力し、株主の皆様の期待を裏切らないよう、常に新しい形へのトランスフォームを追求いたします。

 株主の皆様におかれましては、引き続き、変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。