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サステナビリティ

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125周年の節目に
「変化」をさらに加速させ、
卓越したコンポジット技術で
持続可能な未来を創造する

代表取締役社長執行役員
森田 健司

創業125周年と第7次中期経営計画「Accelerate X」スタート

 当社は創業から120年余り、ゴム引布の製造に始まり、ゴムをはじめとした複合化技術によって広く社会に貢献してきました。今期、当社は創業125周年という大きな節目を迎えます。
 これまで私たちは、第6次中期経営計画において「TRANSFORM ─ 変化にチャレンジし、『変わる』から『変える』へ」を掲げ、事業体質の変革に取り組んできました。そして、2026年3月期からスタートした第7次中期経営計画では、これまでの成果をさらに推し進めるべく、「Accelerate X ─ 変化し続け、『変化』を加速する」をテーマに掲げています。この言葉には、過去の成功に甘んじることなく、社会の要請に合わせてスピード感を持って自らをアップデートし続けるという、当社の強い決意が込められています。
 2026年3月期(2025年度実績)の決算につきましては、世界的な地政学リスクやサプライチェーンへの影響、インフレなど不確実性の高い事業環境のもとでありましたが、売上高は402億38百万円(前期比0.9%減)、営業利益は48億38百万円(同4.7%増)と、利益面で増益を達成することができました。売上高は計画に対して若干未達となったものの、各事業が持つ強みを活かし、安定した利益水準を確保できたことは成果の一つだと捉えています。

2026年3月期 - 2028年3月期
第7次中期経営計画
Accelerate X - Let's Transform! 変化し続け、「変化」を加速する
基本戦略方針
1.稼ぐ力の強化 1各事業の資産見直し 資本コストを意識したROIC経営に注力 生産設備や生産拠点の統廃合を検討
2人的資本への投資 人材ポートフォリオの実現、人材不足を補う施策
株式報酬制度の検討 女性活躍推進
3DX投資・自動化への投資 DX推進
4ガバナンス強化への投資 サイバーセキュリティリスクの取り組み継続
2.新成長戦略 1成長分野へのリソース再配分 医療事業強化 シャフト部門継続強化
2新規分野への投資 他社との協業を含め、新規開発製品の強化
3R&Dの強化 先進技術戦略室による推進
3.サステナビリティ推進 ESG経営の推進 気候変動対応への投資 循環経済・生物多様性実現に向けた投資
4.株主還元方針 資本政策 株主還元方針に基づく株主配当の実施 自己株式の活用
5.投資家とのコミュニケーション向上 IR活動の強化 広報強化に向けた組織の設置 海外IRへの取り組み

第7次中期経営計画の基本戦略方針一覧

「稼ぐ力」の強化とブランド価値の最大化

 第7次中期経営計画の基本戦略方針の一つである「稼ぐ力の強化」に向けて、当社は各事業の資産見直しを進めています。
 産業用資材の工業用品分野では、国内外における自動車関連部品等の需要が回復傾向にあります。また、収益性の向上に向けて、工場の稼働率を改善するために、国内3工場で生産している工業用品部門を2工場へと集約します。
 スポーツ用品事業においては、コロナ禍以降のゴルフ市場の在庫調整の影響等により減収となりましたが、当社のオリジナルシャフトは高付加価値製品として底堅い需要を維持し、営業利益率30%以上という高い収益性となっています。当社にしかできない複雑な素材の複合化技術が評価され、国内外のプロツアーでの圧倒的な使用率を背景に、グローバル市場における藤倉ブランドのシャフトシェアは50%を超えるまでに成長しています。今後も北米や欧州市場の開拓、スチールシャフトからの切り替え需要の獲得、新モデルの投入等により、さらなる成長を見込んでいます。

先進技術戦略室が牽引するイノベーションと新成長戦略

 次に、新成長戦略として成長分野へのリソース再配分や新規分野への投資、R&Dの強化を掲げています。当社が誇る「複合化(コンポジット)技術」は、異なる素材を組み合わせることで全く新しい価値を創り出す価値創造の源泉です。この強みを「稼ぐ力」に変えるため、私は2024年に新設した「先進技術戦略室」を社長直轄組織とし、意思決定のスピードを飛躍的に高めました。また、2026年4月からは次世代自動車部品の開発などを担っていたNEP推進室も同組織に統合し、電気自動車(BEV)等の普及を見据えた新素材や延焼防止向け製品の開発などを加速させています。
 また、新たな事業創出も具体化しつつあります。医療分野におきましては、シリコーンのコンポジット技術を活かしたバイオ医薬品製造向けシングルユース部材の新ブランド「QUALIQ(キュアリック)」を2025年7月に発売しました。加えて、スタートアップ企業である株式会社テクサーとの資本業務提携を通じ、当社のセンサ技術を活かしたスマートビルディング市場への参入も果たしました。コア技術を有効活用し、市場価値に結実させる仕組みを整えること、そして外部の知見を積極的に取り入れながら、新たな事業の柱を育成していきたいと考えています。

株式会社テクサーと共同出展を実施した
スマートビルディングエキスポ

サステナビリティ推進を経営の「5本目の柱」へ

 持続可能な社会の実現への貢献は、すなわち当社の経営理念である「技術・創造・いきいきコミュニケーションを大切にし、人々の安心を支え社会の豊かさに貢献します」を具現化することであり、経営の根幹です。そのため、第7次中期経営計画では「サステナビリティの推進」を、従来の4つの基本戦略に次ぐ「5本目の柱」として明確に位置づけました。これもまた、これまでの付随的な活動から全社を挙げた本業を通じた取り組みへと「変化を加速する」ための決断です。
 既に具体的な施策も始動しております。ゴルフシャフトの製品包装において、包装材質の一部を、石油由来のものから植物由来のものに切り替えました。また、生産拠点における環境負荷低減の取り組みとして、小高工場において2026年11月より太陽光発電設備を導入し、自然エネルギーを利用した工場稼働を開始する予定です。私自身がサステナビリティ推進の最高責任者として陣頭指揮を執り、2030年度のGHG(温室効果ガス)排出量46%以上削減(2019年度比)に向けた歩みを着実に進めていきます。もちろん、その先の2050年カーボンニュートラルも見据えております。

変革を支える人的資本への投資と多様性の推進

 これらの事業戦略やサステナビリティ活動を実行するのは「人」です。当社は、第7次中期経営計画期間において、人的資本に対して約14億円の投資を計画しています。少子高齢化による労働力不足を見据え、シニア人材の活用や、外国人材の登用など、多様な人材が活躍できる環境整備を進めていきます。
 中でも女性活躍推進につきましては、当社のベトナム工場において、初めて女性の工場トップを登用いたしました。きめ細かな視点による品質管理や工場運営は、高付加価値シャフトの製造において目覚ましい成果を上げており、今後のモデルケースとなることを期待しています。
 さらに、次代を担う経営人材の育成にも注力しています。従来の事業部ごとのスペシャリスト育成の枠を超え、若手のうちから技術と営業、国内と海外など、部門を横断したジョブローテーションを積極的に実施しています。変化の激しい時代を乗り越える強靭な経営チームの構築を目指しています。

ステークホルダーの皆様との対話と積極的な株主還元

 私たちは、資本コストを意識した経営を推進するとともに、株主・投資家の皆様との対話をこれまで以上に重視しています。昨年度は70件を超える機関投資家様との個別面談を実施しました。海外の投資家様からのアプローチも増加しており、IR専門体制を強化することで、当社の戦略や企業価値をグローバルに発信していきます。
 当社は引き続き、ROE10%以上、PBR1.0倍以上といった財務目標の達成にこだわるだけでなく、技術力を源泉とした事業成長と社会課題の解決を両立させることで、全てのステークホルダーの皆様とともに発展し続ける企業を目指してまいります。

代表取締役社長執行役員